【医師監修】口臭の原因は口の中だけじゃない その臭い息は 腸漏れのしわざ!?
全国47都道府県の4,700人を対象に実施された『口臭白書2019』の調査(※)では、自分自身の口臭が気になった経験について聞いたところ、
「よくある」17.9%
「時々ある」56.7%
「1度はある」16.0%
と、実に日本人の約9割が気になった経験があると答えています。
そんな口臭を予防するために多くの人が行うのは、歯磨きや舌磨きなどの自分でできる口腔ケア。日本人が1日に歯を磨く平均回数は2.2回と、毎日、複数回歯を磨くことが当たり前で、3回以上磨くという人も32.8%と全体の約3分の1に達しており、日本人のオーラルケアへの意識の高さが伺えます。
ところがこの調査では、1日に歯磨きをする回数が2回以下の人よりも、3回以上歯磨きをする人の方が口臭が強いという結果も出ているのです。これは、歯を磨く回数を増すことが、必ずしも口臭の改善には繋がらないことを示唆しています。
自己流の口腔ケアでは解決しない問題が、ここに潜んでいるのです。
口臭が気になるシチュエーションとしては、「仕事の打ち合わせをしているとき」(69.6%)が最も多なっており、口臭を指摘できる相手は家族でも約3割。一方で、間柄に関わらず誰にも指摘できないという人も30.5%にのぼりました。自身が臭うにしろ周囲の人が臭うにしろ、日本人にとって口臭はもはや国民病ともいえる大きな悩みになっているのです。
そこで今回は、口臭専門外来歯科医師である櫻井直樹先生に、多くの日本人が抱える悩みである口臭の傾向や対策、さらに、一見すると関連が無さそうな『口臭と腸』の関係についてお話を伺いました。

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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
直田亨ライター歴10年。出版社で10年、病院広報で10年勤務後、健康食品業界に転職。
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目次
女性の大多数が抱えている「口臭の悩み」
口臭は幅広い年代に共通した問題ですが、特に女性が悩む傾向にあるといいます。
2016年に日本歯科医師会が全国の10代から70代の男女1万人を対象に調査(※)したところ、自分の口臭が気になった経験が「ある」と答えた人の割合が、最も多かったのが30代の女性でした。その値はなんと89.3%。ほぼ9割の女性が口臭を気にしているということになります。一方で、同じ30代の男性で自分の口臭が気になった経験が「ある」と答えた人の割合は75.2%に留まり、女性の方が口臭に対して問題意識が高いことが明らかになりました。
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さくら歯科クリニックあおば 理事長 櫻井直樹
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程度に関わらず、女性の方が口臭を気にしているのは、普段からにおいに敏感な心理が働いているからだと考えられます。ただ、妊娠期や更年期など女性ホルモンのバランス変化によって、男性よりも女性の方が実際に口臭が強くなる傾向があるという研究もあります。
そういう意味でも、女性の方がより口臭を気にしているといえるでしょう。
口臭が強くなるタイミングには共通点があった!
しかし、口臭を気にしている人も24時間365日ずっと口が臭いわけではありません。
口臭には、生活の中で臭いが強くなるタイミングが3つあるといわれています。まずは起床時、そして空腹時、最後に緊張や疲労した時なのです。
これらのタイミングに共通するのは、唾液の減少。唾液の量が少なくなって、口が乾いてしまうと口臭は強くなります。すなわち口臭予防には、臭いの出口である口が乾かないような対策をすることが有効なのです。
簡単にできる、口臭をコントロールするテクニックとしては、
水でゆすぐ
特に起床時は口が乾燥して雑菌が繁殖しているので、水うがいで雑菌を洗い流しましょう。
唾液腺マッサージ
唾液には自浄作用と抗菌作用があるので、唾液を出すためのマッサージも有効です。
ガム
ガムを噛めば唾液が出て口臭予防になりますし、ストレス緩和にも◎。虫歯予防効果のあるガムがオススメ。
だが、もちろんそれだけでは口臭の根本的な解決にはなりません。強い口臭を抑えるには、その原因を探る必要があるでしょう。
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さくら歯科クリニックあおば 理事長 櫻井直樹
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ご家庭の排水管を思い浮かべてください。
排水管に水を張っていないと、下水の臭いが上がってきますよね。これと同じことが我々の身体にも起きるのです。口の中は常に潤しておきましょう。
原因は「口のトラブル」だけじゃない!
ひとことで「口臭」といっても原因は人それぞれ。生理的な口臭であれば誰にでも起こり、その主な原因は「口腔」「ストレス」「腸」の3つです。
口腔が原因で口臭が発生する理由として、まずは過度なブラッシングが挙げられます。歯茎や舌を傷つけ、炎症して唾液が汚れることも。口臭を消す歯磨きのタイミングは、朝起きてすぐと寝る前の1日2回で十分なのです。
また、殺菌成分が強過ぎる口腔ケアグッズの使用は、必要な口内細菌まで減らしてしまって唾液の質が変化したり、唾液の量が低下することで口腔内の乾燥を悪化させたりすることが考えられます。
ストレスも大きな原因の1つです。
口臭に悩む人の中には、『口臭恐怖症』や『仮性口臭』と呼ばれるケースも多く、これらはほとんど気にすることのない程度の口臭に対して、強く臭っていると思い込んでいる状態です。こうなってしまうと、精神的なストレスを感じることで唾液量が減少して、ほとんど存在しなかったはずの口臭が、実際に強くなってしまうという悪循環に陥ることもあります。
クサい口臭の隠れた原因は「腸漏れ」!?
そして最も注目すべきなのは「腸」からくる口臭です。
口臭は口から臭うものなので、口腔内に問題があると思っている人がほとんどですが、実は、腸の健康が口臭予防にとって大きな鍵を握っているのです。
なぜ、腸の状態が口臭に影響を及ぼすのでしょう。
それは、腸が消化や吸収、解毒をする器官であるということと、腸漏れ(リーキーガット)と呼ばれる腸の不調が影響しているのです。
腸漏れとは、分かりやすくいうと「腸のバリアが緩み、通してはいけない未消化タンパク質や毒物、細菌やウイルス、老廃物などが血液中に入ってしまう状態」のことです。身体にとって毒となる異物が血中に流れ込むことで、解毒を担当する肝臓に大きな負担がかかり、アンモニアを尿酸へと変換する処理が滞ります。その結果、便臭や下水臭のような臭いが口臭として出てくるのです。
腸漏れは、ストレスや消化不良、栄養の偏りによる腸内環境の乱れなどが原因となって引き起こされます。腸内環境が悪化することで、腸内に存在する多種多様な菌のバランスが崩れ、腸の動きが低下してしまうのです。
さらに近年の研究では、腸の不調が口臭のみならず、気分障害やうつ病にまで関係してくるともいわれています。ストレスによって腸漏れが起こり、口臭が強くなることでさらにストレスを抱えるという負の連鎖になりかねません。
『腸活』によって、口臭と密接に関係する腸の健康を保つには、
・腸に良い食事を摂る
【発酵食品】【短鎖脂肪酸】【食物繊維】【オリゴ糖】などが含まれた、腸内環境を整えてくれる食材を意識して、3食きちんと摂ることが大切です。
逆に、腸内環境を悪化させる4つの成分を含んだ飲食物をやめる4F (よんえふ)にも挑戦してみましょう。Fはフリーの頭文字で、「その成分を含まない」という意味です。
①グルテンフリー…小麦に含まれるグルテンは、腸壁を緩ませる
②カゼインフリー…乳製品に含まれるカゼインは、腸の炎症を引き起こしやすい
③シュガーフリー…砂糖は虫歯や歯周病の原因であり、血糖値の乱高下は精神にも悪影響
④保存料フリー…保存料(リン酸塩)はミネラル不足を招き、ホルモンの乱れにつながる
・ストレスを溜めない
腸はメンタルの影響を受けやすいので、リフレッシュすることを心掛けましょう。笑ったり深呼吸をしたりすることも効果的です。
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さくら歯科クリニックあおば 理事長 櫻井直樹
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口臭ケアだけでなくストレスケアにおいても、腸漏れ対策は有効だと考えます。
ただ、腸漏れは腸内のカンジダ菌繁殖が原因の場合もあります。気になる方は専門医に相談しましょう。
櫻井先生の視点 姿勢が悪いと口臭が強い!
口臭外来の現場で1,000人以上の患者を診てきた櫻井先生は、経験から、口臭の重症度は姿勢を見ると分かるといいます。
例えば、姿勢が悪くて背中が曲がり下を向いている人は、口臭の重症度が高くてなかなか治りません。逆に、しっかりとした姿勢で座ることができる人は、1回の診療でも改善されるといいます。
1. 姿勢が悪いと腸内環境も悪くなる
猫背になるとお腹が圧迫されて腸の動きが鈍くなる。消化不良につながり、腸内環境が悪化。
2. 姿勢は気分にも影響する
前屈みや下を向くと、気分も暗く弱々しくなるという実験結果が。不安が強くなることで慢性的なストレスを抱えやすくなる。
3. 息がしにくく口呼吸になりやすい
猫背の状態だと息を吸える量が減り、口呼吸に頼りがちに。疲れやすく口も乾燥しやすくなり、口臭にも影響する。
POINT
背筋をピンと伸ばした正しい姿勢で、目線を上へ向け、鼻呼吸を意識すること。
口臭ケアの効果アップにもつながります!
正しい知識と適切なケアで口臭対策を
そもそも、口臭は症状であって病気ではないので、口臭に悩む人に必要なのは治療ではなくて予防なのです。
歯周病や糖尿病などの病的要因による口臭は、病気を治療することで解消されますが、異なる要因の口臭に対しては、いかに正しく予防しながらコントロールするかが全てだといえます。病的要因ではない口臭を消すためには、口内殺菌のような治療ではなく、口内の細菌バランスを整えることを軸に、腸の健康を保ちながら、ストレスの少ない生活習慣に改善することが重要です。
口臭対策について、正しい知識を知った上で適切なケアをして、晴れやかな毎日を過ごしたいものですね。

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●監修者●
医療法人社団桜樹会 さくら歯科クリニックあおば 理事長
歯科医師 櫻井 直樹■経歴■
歯科医師として小児から高齢者まで幅広い臨床試験を持ち、30年で20万人以上の治療と指導に関わる。また、口臭外来では、口臭に悩む患者さんに行うカウンセリングが評判を呼び、来院者数は 1,000人を超えている。
ほんだ式口臭治療認定歯科医院 さくら歯科クリニックあおば
■資格・所属学会■
医学博士
日本内科学会 認定内科医
日本消化器病学会 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
日本口臭学会会員
歯科医師臨床研究指導医
臨床分子栄養医学研究会認定指導医
国際顎頭蓋機能学会FELLOW
日本顎咬合学会認定医
日本心理学会認定心理士
キャリアコンサルタント
NLPトレーナー
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