足が臭い本当の原因とは?洗っても取れない足の臭いを一瞬で消す方法
「ちゃんと洗っても足の臭いが消えない」「出先で靴を脱ぐと、すごい悪臭がする」。
そんな、足の臭いに関する悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
毎日きちんと足を洗っても臭いがとれない原因は、汗や靴の蒸れだけではありません。
実は、足にたまった古い角質や、汗を栄養源として増える雑菌も大きく関与しています。
本記事では、足の臭いが発生する仕組みを分かりやすく解説。さらに、薬用石けんを活用した悪臭の原因となる菌の殺菌法や、保湿で肌環境を整えるための対策法、角質ケアまで詳しく紹介します。
足の臭いに悩んでいる方や家族の足臭で困っている方は、参考にしてください。

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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩15年以上に亘り、医師や専門家の方々と意見を交わしながら「臭い」を研究し、数多くの臭い対策商品をつくってきました。その経験の中で得た「体臭」や「加齢臭」に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
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目次
足が臭くなるのはなぜ?足の臭いが消えない原因とは
足の臭いの多くは、汗や古い角質を栄養源とする雑菌の増殖が原因で引き起こされます。
靴の中のような湿度と温度が高い環境では雑菌が活発に繁殖し、足を洗っても消えない独特の臭いを発生させるのです
足の裏の汗と雑菌の関係
成人の足の裏には、1㎠あたり約250~550腺もの汗腺が存在していると言われています。
汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類があり、足の裏にあるのはエクリン腺です。
| 汗腺の種類 | 汗の特徴 |
|---|---|
| アポクリン腺 | タンパク質や脂質、中性脂肪、アンモニア等を含むミルク様の汗 |
| エクリン腺 | 塩化ナトリウムや乳酸、尿素などを含み、99%が水分の透明な汗 |
汗そのものには臭いはありません。
しかし、湿度と温度が高い環境では、皮膚上に存在する常在菌(表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ状球菌、アクネ菌、コリネバクテリウム属など)の作用によって汗の成分が分解され、特有の悪臭を発生させます。
角質と雑菌の関係
角質には、肌を保護するためのバリア機能があります。しかし、厚くなり過ぎると雑菌の温床に…。
足の角質は硬くて多孔質なため、汗や皮脂、汚れを吸着しやすく、雑菌の栄養源になってしまうのです。
特にかかとや指間の角質は蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
そのため、角質ケアを定期的に行わないと雑菌が繁殖し、悪臭物質が増加して足の臭いが強くなります。
その結果、足を洗っても臭いがとれない状態を引き起こしてしまうのです。
足の臭いの主な原因物質は「イソ吉草酸」
足が臭くなる原因として代表的な物質が「イソ吉草酸」です。
イソ吉草酸は、足に繁殖する皮膚常在菌が汗や皮脂、角質を分解する過程で生成される酸で、足の臭いや蒸れた靴下の臭い、その他にもチーズや納豆の臭いなどに例えられる不快感のある刺激臭を放ちます。
その臭いの強烈さは、悪臭防止法にて特定悪臭物質の規制対象となっているほどです。
雑菌が繁殖しやすい湿った環境では、イソ吉草酸が大量に作られ、足の臭いが強くなる傾向があります。
このイソ吉草酸の増加こそが、足を洗っても臭いがとれない大きな要因なのです。
足が臭いのは病気が原因?「白癬菌」の増殖
イソ吉草酸の増加以外に足が臭くなる原因に、白癬菌(水虫菌)の感染があります。
白癬菌は角質に寄生し、皮膚を分解しながら増殖します。
白癬菌自体には臭いはありません。しかし、感染によって傷んだ皮膚や湿気の多い環境に雑菌が繁殖し、足の臭いやかゆみ、乾燥、ひび割れを引き起こす要因となります。
2023年に日本臨床皮膚科医会が実施した大規模疫学調査「Foot Check 2023(足の健康調査)」では、本邦における真の潜在罹患率は足白癬が成人の13.7%(男性18.9%、女性9.6%)、爪白癬は7.9%(男性11.6%、女性5.8%)であることが報告されました(対象:全国211施設の皮膚科外来受診者14,588人)。
この結果からも分かるように、足白癬または爪白癬に感染している人は、決して少なくないのです。
足の臭いが消えない人の特徴!こんな人は足クサ用心
足をちゃんと洗っているのに臭い人は、日常の習慣や体質のせいで雑菌が繁殖しやすい環境を作っているかもしれません。
次に挙げるのは、足が臭くなりやすい人の特徴です。思い当たる項目がないか、チェックしてみましょう。
1. 足が蒸れやすい靴や靴下を長時間履いている
通気性の悪い革靴やブーツ、パンプスを長時間履くと、足が蒸れて湿度が高くなり、雑菌が繁殖しやすくなります。
靴の素材と靴内部の湿度を調べた研究では、合成皮革製が著しく高く、天然皮革製が最も低いという結果が明らかになりました。
また、吸湿性が低いポリエステルなど合成素材の靴下は汗を吸収しにくいため、足が蒸れる原因になります。
2. サイズが合わない靴を履いている
足の臭いが気になる場合は、靴のサイズにも注目しましょう。
靴のサイズが小さいと隙間がないため通気性が悪く、汗をかきやすくなります。逆に、大きすぎると靴が脱げないように踏ん張るため、靴の中で摩擦が起きて温度が上昇し、発汗を招きます。
3. 足に汗をかきやすい
足に汗をかくのは、靴内部の温度が上昇した時だけではありません。ストレスや緊張も、足からの発汗を増やす原因です。
足の臭いを防ぐ対策の実践とともに「足がある程度臭うのは当然のこと」と考えて、臭いを気にしすぎないようにしましょう。
4. 足がむくんでいる
足がむくむと血流やリンパの流れが悪くなり、汗や角質がたまりやすくなります。
その結果、雑菌が繁殖しやすくなり、臭いが強まる原因となります。
体臭がきつい女性に共通の原因と特徴とは?汗からアンモニア臭がする“疲労臭”の改善方法を解説! >>詳しく読む
足の臭いを一瞬で消すには?すぐに実践できる臭い対策
足を洗っても臭い、足の臭いが消えないといった悩みを解消するためには、雑菌の繁殖を抑える根本からの対策が欠かせません。
これからご紹介するのは、日常生活で簡単に実践できる足の臭い対策法です。足からの悪臭改善・予防のために、今日からすぐに実践してみませんか。
1. 爪のケア
足を洗っても臭い人は、爪の間のケアを見落としていませんか?
爪の間は角質や汗が溜まりやすく、雑菌の温床になりやすい部分。爪を短く整え、こまめに清潔にすることで、雑菌の繁殖を抑えられます。
特に、水虫の原因である白癬菌が爪に入り込むと、慢性的な臭いの原因になるため、こまめにケアしましょう。
2. 足の角質ケア
ちゃんと足を洗っているのに臭いが消えない人は、角質ケアに目を向けてみましょう。
厚くなった古い角質は雑菌の温床となり、足の臭いの原因となります。
角質がたまると、足の指間やかかとなどに汚れが溜まりやすくなり、雑菌の栄養源に。
軽石や専用の角質ケアアイテムで定期的に角質ケアを行うと、雑菌の繁殖予防につながります。
デオドラント、制汗剤の使用
外出先での足の臭いを瞬間的に抑える方法として、デオドラントや制汗剤の使用も効果的です。
選ぶ際は、殺菌・消臭作用がある成分や皮脂の酸化を抑える効果をチェックしましょう。
重曹による足の臭い対策
除菌・消臭効果や洗浄効果があることで知られる重曹は、弱アルカリ性の物質です。
一方、足の臭いの原因物質である「イソ吉草酸」は酸性の物質であるため、重曹を溶かしたお湯などに足を浸すことで中和され、足の臭いを消す効果が期待できます。
ただし、肌への刺激もあるため使用量や時間に注意が必要です。
足の臭いを根本から撃退できる「薬用石けん」を活用
足を洗っても臭い人は、雑菌が落としきれていない可能性があります。
普通のボディソープや石けんでは、足の臭いの原因となる雑菌がすべて落としきれないため、時間が経つと雑菌が繁殖して臭いが強くなるのです。
足の臭いを徹底的に消し、予防するためには、殺菌効果のある薬用石けんを使用しましょう。
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薬用石けんの有効成分とその働き
薬用石けんには、足の臭いの原因となる雑菌を殺菌する有効成分が含まれています。
代表的な成分が、イソプロピルメチルフェノールやグリチルリチン酸ジカリウムです。
| 成分名 | 効果 |
|---|---|
| イソプロピルメチルフェノール | 細菌の細胞膜を破壊し、足の臭いの原因菌を殺菌。保湿成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)とセットで使うことで肌環境が整い、臭いが再発しにくくなる |
| グリチルリチン酸ジカリウム | 抗炎症作用と保湿作用で肌環境を整え、角質の蓄積を防ぐ |
殺菌効果や抗炎症作用、保湿効果がある成分を含んだ薬用石けんなら、足の臭いの原因となる雑菌を効果的に除去できるだけでなく、臭いも予防できます。
足を洗った後の拭き取りも重要なポイント
足を薬用せっけんで洗った後は、泡を水やお湯でしっかり流し、乾いたタオルで足を拭きましょう。この時に、指の間や足の裏の水気を重点的に拭き取ることが大切です。
拭き取った後は、足の指や爪の間に汚れや湿気が残らないように、十分に乾燥させます。
足の臭い予防に肝心なのが、乾いた状態を保つことです。湿気があると細菌が繁殖するため、丁寧に行いましょう。
足臭対策に欠かせない「保湿成分」の役割
ここまで、殺菌の重要性についてお伝えしてきました。しかし、実は「保湿」も同じくらい足の臭い対策には重要なポイントです。
次は、足臭予防における保湿の大切さについて詳しく解説します。
保湿が重要な理由
適切な保湿を行うことで、肌のバリア機能が向上し、角質の過剰な蓄積を防止できます。
肌のバリア機能とは、外部の刺激や細菌の侵入を防ぎ、水分を保持する役割を持つ重要な機能です。
保湿によってこのバリア機能が整うと、雑菌が繁殖しにくい環境が作られ、足臭の予防につながります。
保湿には、グリチルリチン酸ジカリウムなどの保湿成分を含む製品の使用が効果的です。
- ・水分保持:角質層に水分を補給し、乾燥による硬化を防ぎます。
- ・抗炎症作用:雑菌や刺激によって起こる炎症を抑え、肌環境を整えます。
- ・角質の柔軟化:柔らかい角質は汚れや汗を吸着しにくく、雑菌が増えにくい状態を作ります。
つまり、保湿は単なる「潤いケア」ではなく、角質ケアと雑菌抑制の両面で足臭対策を支える基盤となるのです。
足臭を防ぐための保湿ケア方法|保湿剤の選び方
薬用せっけんを使って臭いの原因菌を殺菌しても、肌が乾燥しているとすぐに元通りになってしまいます。
入浴後のケアや保湿剤の選び方、角質のチェックを習慣化して、雑菌が繁殖しにくい肌環境を整えましょう。
1. 入浴後の保湿
お風呂上がりの肌には水分が豊富に含まれているため、このタイミングで保湿剤を塗ると水分を逃さず角質層に閉じ込められます。
特に乾燥しやすい、かかとや指の間を重点的にケアしましょう。
2. 保湿剤の選び方
グリチルリチン酸ジカリウム配合のクリームやローションは、保湿と同時に抗炎症作用も期待できます。
ワセリンや尿素入りの保湿剤も角質を柔らかくし、雑菌が住みにくい環境を作るのに効果的です。
3. 定期的な角質チェック
保湿と一緒に実践したいのが、角質の厚さやひび割れの定期的なチェックです。
厚くなった角質は、柔らかく保湿しても雑菌が入り込みやすいため、週に1回程度のペースで軽石や角質ケアアイテムで取り除きましょう。
このように、正しい保湿ケアは単に「肌に潤いを与える」だけでなく、角質の蓄積を防いで、雑菌の繁殖を抑える効果があるのです。
「洗う」「保湿する」をセットで行って、足の臭いを改善しましょう。
まとめ | 足を洗っても臭い人は殺菌と保湿を大切に
洗ってとれない足の臭いの原因は、汗や靴の蒸れだけが原因ではなく、角質や汗を栄養源に増える雑菌の繁殖です。
最後に、根本からの足の臭いを改善するために重要なポイントをまとめました。
- 1. 角質ケアで雑菌の栄養源を除去する
- 2. 薬用石けんで雑菌をしっかり殺菌する(イソプロピルメチルフェノール配合)
- 3. 保湿で肌のバリア機能を高め、角質の蓄積を防ぐ(グリチルリチン酸ジカリウム配合)
足の臭い対策は、デオドラントスプレーなどによる一時的な消臭(香りづけ)だけではなく、薬用せっけんで殺菌し、臭いの原因菌が繁殖しない肌環境を整えることがカギとなります。
「足を洗っても臭い」「足の臭いが消えない」と悩んでいる方は、今回ご紹介した対策法をすぐに実践してみませんか。
【参考・出典】
※畑康樹, et al. "足白癬・爪白癬の実態と潜在罹患率の大規模疫学調査 (Foot Check 2023) 第 1 報." 日本臨床皮膚科医会雑誌 41.1 (2024): 66.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/41/1/41_66/_pdf
※Baker LB. Physiology of sweat gland function: The roles of sweating and sweat composition in human health. Temperature (Austin). 2019 Jul 17;6(3):211-259.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6773238/
※Chen H, Zhao Q, Zhong Q, Duan C, Krutmann J, Wang J, Xia J. Skin Microbiome, Metabolome and Skin Phenome, from the Perspectives of Skin as an Ecosystem. Phenomics. 2022 Oct 10;2(6):363-382.
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9712873/
※宮澤清. "体臭を消す: 制汗デオドラント剤の化学 (生活の中の化学)." 化学と教育 45.2 (1997): 86-89.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/45/2/45_KJ00003520016/_pdf/-char/ja
※Ara K, Hama M, Akiba S, Koike K, Okisaka K, Hagura T, Kamiya T, Tomita F. Foot odor due to microbial metabolism and its control. Can J Microbiol. 2006 Apr;52(4):357-64.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16699586/
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https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/65/5/65_5_P_166/_pdf/-char/ja
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