くしゃみが臭い理由は?唾液と口臭の関係について解説

くしゃみをした際の臭いや、マスクに付着した唾液の臭いが不快に感じるということはありませんか?

おいしいものを想像するとあふれ出てくる唾液。一般的に唾(つば)と呼ばれていることもあり、なんとなく汚いイメージがありませんか?くしゃみをしたときに飛沫となるため、自分でも臭いが気になりやすいと思います。

実は唾液にはさまざまな健康パワーが秘められていて、口臭に関しても深い関係があります。この記事では口臭と唾液の関係や、口臭を抑える方法をご紹介します。

  1. 目次

    1. 唾液そのものは本来無臭
    2. 唾液が臭い原因
    3. 唾液の働きと分泌量の減少による影響
    4. 唾液が減る原因
    5. 唾液を増やして口臭を改善する方法
    6. それでも口臭が改善しなかったら
    7. 口臭対策まとめ

唾液そのものは本来無臭

唾液自体は基本的に無臭

ネット上では「唾液が臭い」「臭い唾液が口臭の原因になっている」といった書き込みがしばしば見られますが、分泌された唾液そのものは本来無臭です。

唾液自体が口臭の原因になることはなく、逆に唾液は臭いを抑える大切な役割を担ってくれています。

唾液が臭い原因

唾液が臭い原因

では無臭の唾液がなぜ臭っているように感じるのでしょうか?

そもそも口臭は、口内に棲む細菌がつくりだす「ガス」が原因で発生します。口内には、毎日きちんと歯を磨いている人でも1,000~2,000億個もの細菌が生息しています。

その中の「嫌気性菌」が、食べかすや口の中から剥がれ落ちた細胞などに含まれるタンパク質やアミノ酸を分解する際につくりだす、「メチルメルカプタン」「硫化水素」「ジメチルサルファイド」といった「揮発性硫黄化合物」と呼ばれるガスが、タマゴやキャベツが腐ったような臭いを発生させます。

くしゃみをした時などに本来無臭の唾液が臭うのは、こういったガスが唾液の中に溶け込むためです。

唾液の働きと分泌量の減少による影響

唾液のチカラに注目

唾液には口の中の汚れを落としきれいにする役割があります。また、唾液に含まれる酵素は口臭の原因となる嫌気性菌の発生を抑える働きがあります。

唾液は口の中にある3つの唾液腺から分泌されていて、1日の分泌量は健康な成人で1~1.5リットルと言われています(※)。分泌量には個人差もあり季節・体調などにより変化しますが、年齢を重ねると噛む力の低下に加え病気や服用している薬、ストレスなどの影響もあり減少する傾向にあります。

唾液が減少して口の中が乾燥すると細菌が増殖するため、口臭以外にも虫歯、歯周病、口内炎などのトラブルが増えることにつながります。さらに、食べ物の飲み込みや発音、味覚障害など日常生活にも色々な影響がでてくるようになります。

口は常に外界にさらされてるため、外気や食べものを通してさまざまな病原菌が入ってきます。唾液が少なくなると防御機能も弱まり、風邪やインフルエンザといった病気にもかかりやすくなります。

このように、唾液は口の中を清潔に保って臭いを抑えるだけではなく、全身の健康維持に深く関わっている大切な機能なのです。

※:厚生労働省 e-ヘルスネット「唾液分泌」

唾液が減る原因

噛む回数が少ないと唾液が減る

唾液が減る原因は様々なものがあり、いくつかの原因が複雑に関係して唾液不足が起こることも多いです。

噛む回数が少ない

唾液腺は噛むことで刺激を受けて唾液の分泌を促します。そのため食事中に噛む回数が少ないと唾液の分泌量が減ります。

ストレス

唾液腺は自立神経が制御していてリラックスしているときにより多くの唾液が分泌されます。逆に、ストレス状態が続き自律神経のバランスが崩れると唾液の分泌量は減ります。

飲酒、喫煙

アルコールの利尿作用により体内の水分が排出されるため唾液量が減少します。ニコチンには唾液の分泌を抑える働きがあります。

スマホをよく使う

スマホを使うと長時間うつむいた姿勢になるため、アゴの下にある唾液腺が圧迫されて唾液の分泌量が低下すると考えられています。

人と話す機会が少ない

無言、無表情で長時間過ごすと口の周りの筋肉が動かないため、唾液腺が刺激を受けないことにより唾液の分泌量が減少します。

唾液を増やして口臭を改善する方法

唾液を増やして口臭を改善する方法

口臭を防ぐには、ガスをつくりだす細菌を増殖させないように唾液の量を増やすことが大切です。唾液の増やし方には色々な方法があるのでご紹介します。

①よく噛んで食べる

噛むことで口回りの筋肉が刺激されて唾液の分泌が促されます。意識的に噛む回数を増やすほか、ガムを噛むのもおすすめです。

その際ガムはキシリトール配合のものを選びましょう。糖類が多く含まれたガムはかえって口臭の原因になります。

②唾液腺マッサージをする

お口の中には、耳下腺(じかせん)・顎下腺(がっかせん)・舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる唾液がでるポイントがあります。ここを刺激することで唾液の分泌量を増やすことができます。

耳下腺、顎下腺、舌下腺の場所

【耳下腺(じかせん)】

耳の前(上の奥歯あたり)付近にある唾液腺です。ここに指数本をあてて、後ろから前に向かって円を描くように10回ほど指全体でやさしくマッサージを行います。

【顎下腺(がっかせん)】

顎の骨の内側の内側のやわらかい部分にある唾液腺です。ここに親指を当て、耳の下から顎の下まで、5か所ほどに分けて順に押します。各ポイントをゆっくり5回くらいずつ押しましょう。

【舌下腺(ぜっかせん)】

顎のとがった部分の内側にある唾液腺です。両手の親指を揃えて、顎の真下から下を突き上げるように10回ほど上方向にゆっくり押し上げます。

③舌回しエクササイズをする

舌を回すことで口回りの筋肉が刺激されて唾液が分泌されます。舌の先で上下の歯茎をなぞるように行います。右回りで10回、左回りで10回。これを1セット1日3回程度行いましょう。

④水分補給をする

唾液の99%は水分でできていて、体内の水分を原料にしています。体内の水分が不足すると唾液の分泌量も減少するので、こまめな水分補給をしましょう。利尿作用のあるカフェインやアルコールの摂りすぎは要注意です。

⑤ストレスをためない

ストレスによる唾液の減少を防ぐために、適度にリラックスできる方法を取り入れましょう。

深呼吸は時間や場所を選ばない手軽なリラックス方法としておすすめです。いつもシャワーで済ませてしまう方は、週に1度はぬるめのお風呂に長時間つかることもストレス解消に有効です。そのほかご自身にあったストレス解消法を見つけて実行してください。

それでも口臭が改善しなかったら

口臭が改善しない

それでも唾液が臭う場合は、口臭が発生している原因をつきとめて対処する必要があります。口臭の原因はさまざまですが、代表的なものをいくつか紹介します。

口臭の原因1「歯周病」

歯周病は口の中の組織が炎症して、やがては歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。歯周病菌は強いガスを発生させるので強烈な口臭になります。

一説では成人の約80%が歯周病にかかっているといわれています。ブラッシング時に出血がある人、歯茎が頻繁に痛くなる人は特に注意です。

歯周病の口臭対策

歯周病の治療は、歯医者での歯石除去がメインになります。自宅のブラッシングでは歯石の除去はできないので、かならず歯科医院に相談をしましょう。正しいブラッシングの指導を受けて習慣化すれば歯周病を予防することもできます。

口臭の原因2「虫歯」

食べかすが虫歯の穴の中にたまると腐敗臭を発するため口臭の原因になります。また、虫歯が神経まで達すると神経が腐るためドブのような強烈な口臭になります。

虫歯の口臭対策

虫歯は軽度であれば削らずに治療をすることもできますが、食べかすがたまって口臭がするほど進行している場合は、虫歯に侵された箇所を除去して詰め物をするのが一般的です。

口臭の原因3「舌苔」

舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かな突起があります。そこに食べかすや、剥がれ落ちた口の中の粘膜が積み重なったものを舌苔(ぜったい)といいます。舌苔の中に含まれているたんぱく質を細菌が分解することで口臭になります。

舌苔の口臭対策

舌苔の対策は舌磨きです。1日1回朝の歯磨きのついでに行いましょう。舌の表面は非常に傷つきやすいので歯磨きの3分の1くらいの力でやさしく丁寧に、奥から手前に掻き出すように3回ほど表面をなぞります。歯磨き粉には研磨剤が含まれているので水だけの状態で行ってください。

舌苔の取り方と予防法を解説。舌の白い汚れは口臭の原因に 詳しく読む>>

口臭の原因4 「胃腸のトラブル」

胃腸の調子が崩れると消化吸収に時間がかかるので、食べたものが体内で発酵します。そこから出た悪臭ガスが血流に溶け込み、全身を回って肺から呼吸として外に出ることで口臭になります。

胃腸のトラブルの口臭対策

胃腸の調子をよくするために腸内フローラを善玉菌優位の環境にしましょう。具体的には、ヨーグルト、味噌、キムチ、納豆のような発酵食品や、ひじき、わかめ、ごぼうなどの食物繊維を意識的に摂ることです。内臓に負担がかかる揚げ物や肉類は悪玉菌のエサなるのでひかえるようにしましょう。

口臭がうんこくさい、ドブ臭い原因は胃?内臓からくる口臭の治し方 詳しく読む>>

口臭対策まとめ

くしゃみをした時に臭うとき、口臭で悩んだときは、唾液の分泌を改善して日々の口内ケアを怠らないことがまず第一です。そして胃腸の調子を整えることが内側からの改善につながります。

すでに歯周病や虫歯などがある場合は、歯科医院に相談するようにしましょう。それでも改善されない場合は、内臓の不調や病気が関係していることもありますので、自己判断をせず内科や耳鼻咽頭科を受診するようにしましょう。

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