舌苔の取り方の裏ワザと予防法を解説。舌の白い汚れは口臭の原因に
「舌が白いと息が臭くなる」といった話を聞いたことがありませんか? 口臭は口の中のケア不足が原因で発生することが多く、中でも歯周病と並んで口臭の発生源となっているのが舌の白い汚れ=舌苔(ぜったい)です。
今回は、舌苔ができる原因や口臭になる理由、取り方の裏ワザや正しい舌磨きの方法など舌苔ケアについて詳しくご紹介します。
-
●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩医師や専門家の方々と口臭について意見を交わし、15年以上に亘り数多くの口臭対策商品をつくってきました。その経験の中で得た口臭に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
舌にできる白い汚れ「舌苔」の正体
舌苔とは舌の表目にうっすらと付着した白いコケ状の汚れで、その正体は、食べかすや口の中の粘膜をエサに増殖した細菌のかたまりです。
年齢、性別に関わらず誰にでもできるもので過度に心配する必要はありませんが、色味や厚さによって体調の良し悪しを教えてくれる健康のバロメーターにもなります。定期的にチェックして口臭だけではなく健康管理にも役立てましょう。
舌苔ができる原因と予防法
次のような人は舌苔ができやすい傾向にあります。心当たりのある方は生活習慣を見直し、予防に努めましょう。
①オーラルケアが不足している
歯磨きの回数が少ない、磨き残しがあるなど十分なオーラルケアができていないと、口の中で細菌が増殖するため舌苔の原因になります。
しっかりと歯磨きを行うことが舌苔の予防に繋がります。歯ブラシだけでは十分に歯垢を除去できませんので、歯間ブラシやデンタルフロスとの併用がおすすめです。
②口呼吸がクセになっている
口呼吸は口を開けたまま呼吸をするため口の中で唾液が循環せず乾燥状態に。舌表面の汚れが停滞するため舌苔の原因になります。
口呼吸を改善し、口の中の乾燥を防ぎましょう。
③食事中に噛む回数が少ない
通常食事中は咀嚼をし、飲み込む作業を繰り返すことで舌表面の汚れが自然とキレイになります。また、咀嚼により唾液の分泌が促されるので噛む回数が少ない人は舌苔ができやすいとされています。
また、食べ物をよく噛むことにより口周りの筋肉が鍛えられ、口呼吸の改善にもつながります。
④ストレスを感じている
唾液の分泌は自律神経に支配されているので、ストレスを感じると交感神経が優位になり唾液の分泌が抑制されます。そのため舌苔ができる原因になります。
適度な運動や充分な睡眠などによりストレスの防止に努めましょう。
⑤タバコやお酒が好き
タバコに含まれるニコチンやお酒のアルコールは唾液の分泌を抑える作用があるため、口の中が乾燥して舌苔が発生しやすい環境になります。
摂取量が多い場合は、内臓などその他の健康面にも考慮して適度に嗜むようにしましょう。
⑥胃腸が弱っている
胃腸で炎症が発生した時に、修復するために新しい細胞が生まれます。それと連動して、食道や胃とつながっている舌にある糸状乳頭(しじょうにゅうとう)も角化するため、食べ物のかすが溜まりやすくなり舌苔の原因となります。
胃腸の状態が悪くなると、内臓由来の口臭の原因にもなります。胃腸の改善は舌苔による口内で発生する口臭の予防だけでなく、体内からの口臭の対策へもつながります。
口臭がうんこくさい、ドブ臭い原因は胃?内臓からくる口臭の治し方 >>詳しく読む
舌苔は口臭の原因に
口の中にはタンパク質が豊富に存在していて、舌苔に潜んでいる「嫌気性細菌」という細菌がタンパク質を分解する働きがあります。その過程で発生するのが「揮発性硫黄化合物(VSC)」という臭い物質です。この物質は「卵が腐ったような臭い」が特徴で、強烈な口臭の原因になります。
舌苔の取り方の裏ワザ、食べ物による除去と予防
口臭をなくすためには、ニオイの元になっている舌苔を取り除くことが効果的です。取り方の裏ワザとして注目され、発生の予防にも効果的な食べ物をご紹介します。
はちみつを使った舌苔の取り方
近年はちみつを使った舌苔の取り方が裏ワザとして注目されていて、歯科医院でも多数紹介されています。
はちみつに含まれる「プロテアーゼ」という酵素にはタンパク質を分解する力があるため、舌苔の除去に役立ちます。
小さじ1杯程度のはちみつを舌にのせ、円を描くように舐めるだけで舌苔が取れやすくなります。
また、はちみつには殺菌作用があることから舌苔を作り出す細菌の増殖を防ぐことに加え、潤いを保つことによることによる舌苔の予防も期待できます。
舌苔の除去に効果的なその他の食べ物
パイナップルにも「プロメライン」というタンパク質を分解する酵素が含まれていますので、舌苔を除去する効果があります。
またレモンや梅干しなどの酸っぱい食べ物に含まれる「クエン酸」にも殺菌作用があります。また、唾液の分泌を促すことにより口の中の食べかすや細菌を除去する効果もあります。
舌磨きによる舌苔の取り方
舌苔の取り方として最も一般的な、舌磨きのやり方をご紹介します。
①専用ブラシやガーゼを使う
舌の表面は非常に柔らかいので、歯ブラシではなく舌磨き専用のブラシまたはガーゼを使います。汚れを落としやすくする、舌磨き専用のジェルも販売されています。歯磨き粉は研磨剤が含まれるものが多く、舌の表面を傷つける可能性があるので使わないようにしましょう。
②1日1回起床後に行う
頻度は1日1回程度にしましょう。舌はとても傷つきやすいので一日に何度も磨くのはNGです。起床後の歯磨きのついでに行うのが一番おすすめです。
③鏡を使う
舌苔が付着している部分をしっかり磨けるように鏡で確認しながら磨きましょう。舌を大きく突き出して、舌の中央を中心に見えている範囲だけを磨きます。「おぇっ」となる原因にもなるので、奥まで無理に磨く必要はありません。
④奥から手前に掻き出すように
磨き方は奥から手前に3~4回程度、表面の苔を掻き出すようにブラシをゆっくりと動かします。
⑤強い力でこすらない
取れないからといって、強い力で磨くのは絶対にやめましょう。舌の表面に傷がつくとかえって口臭が悪化するだけではなく、味覚障害の原因になる可能性もあります。
⑥やりすぎに注意
舌磨きをするうえで気を付けていただきたいのは「強くこすらない」「やりすぎない」ことです。力加減は歯磨きをするときの1/3程度が目安です。これまで蓄積してきた厚い舌苔は、なかなか落としきれないこともありますが、あせって一度にすべてを落とし切ろうとすると舌を傷つける原因になります。習慣化することで徐々にキレイになるので無理をしないようにしましょう。
まとめ
舌苔のケアについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?舌苔ケアは習慣化することが大切ですが、やりすぎには注意です。日々のケアと並行して生活習慣を改めることで、舌苔ができにくい体質を目指しましょう。
ニオイ対策をサポート
おすすめ記事