「口臭ケアで、脳も守れる?」最新研究が示す、思いがけない関係性
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)によって、口臭と認知症リスクに有意な関連があることが明らかになりました。
「息が気になる」ことが、実は脳の健康状態とつながっているかもしれない――。
そんな注目の研究をご紹介します。
10年以上にわたり、約1,500人を追跡調査
研究では、2005年5月から2006年1月にかけて行われた歯科検診で、歯科医師が対面で56〜75歳の男女1,493人(男性46.4%、女性53.6%)の口臭の程度を診断。
「なし」「軽度」「重度」の3グループに分類し、2016年まで「なし」のグループを基準として「軽度」「重度」と診断されたグループの認知症リスクを追跡調査し、口臭と発症リスクの関係について算出しました。
「重度の口臭」は認知症リスクが4倍以上に!
対象者のうち、追跡調査終了時に認知症を発症していたのは6.4%(n=96)でした。
最も発症者数が多かったのは重度の口臭があるグループで、20.7%に上りました。
「口臭なし」は6.8%、「軽度口臭」のグループは5.2%でした。
口臭と認知症リスクとの関係について逆確率重み付けモデルで分析した結果、重度の口臭がある人たちは、口臭がない人たちに比べて認知症リスクが約4.44倍高いことが示されました。
なぜ「口臭」と「認知症」が関係するの?
この因果関係の背景には、いくつかの仮説が立てられています。
・口腔内の炎症(歯周病など)が慢性的に脳に影響を与える可能性
・口臭を理由に他者との交流が減る(社会的孤立)ことで、認知機能が低下
・認知症のごく初期段階で、口腔ケアが行き届かなくなり口臭が悪化するという“逆因果”の可能性
いずれにせよ、「息のニオイ」はただのエチケット問題ではなく、“体内・脳内からのサインかもしれない”という見方が注目されています。
まとめ:「息のニオイ」は、カラダとココロの“先読みセンサー”
「最近ちょっとニオうかも?」と感じたとき、それは単なる口臭ではなく、体内や脳からのサインという可能性も。
この研究が教えてくれるのは、口元のケアを通じて脳の健康、人生の質まで守れる可能性があるということです。
今日からできる小さなケアが、10年後の自分を支えてくれるかもしれません。
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