高校生から気になりはじめる?女子大学生が抱える「口臭への意識」実態調査

10代後半の若い女性たちは、どのように「口臭」を感じているのでしょうか。

某女子大学の女子大学生121人を対象に行われた意識調査では、「起床直後」や「会話中」など日常生活のさまざまな場面で口臭を気にしている実態が浮き彫りになりました。

本記事では、口臭への関心・行動・対人意識に関するデータを、論文に基づいてご紹介します。

※出典:峰岡哲郎, et al. "若年層の女性を対象とした口臭の意識調査: 口臭への一般認識と対人行動についてのパイロット研究." 口腔衛生学会雑誌 61.3 (2011): 282-287.

「気になるお口の悩み」1位は虫歯、2位に口臭もランクイン

女子大学生121名(平均年齢18.5歳)を対象とした調査によると、「口腔内で何か気になることがあるか」という質問に対し、最も多かったのは「う蝕(虫歯)」(52.1%)でした。

次いで「口臭」(42.1%)、「歯列」(38.0%)、「歯の着色」(36.4%)と続き、若年層の女性にとって、口臭は2番目に多く気になる口腔トラブルであることが明らかとなっています。

女子大学生への調査 口腔内で何か気になることはある?

「口臭があったら指摘してほしい」派は約4割

「自分に口臭があった場合、他人に指摘してもらいたいか」という質問に対し、「指摘してほしい」と答えた人は全体の41.0%でした。

そのうちで、いつも「他人が自分の口臭を気にしていると思う」と回答したのは68.6%にも上りました。また、「自分の口臭が気になる」と回答した人のうち、18.2%は「いつも」と答えています。

このことから、自分自身では口臭がそれほど気にならないものの、「他の人は気にしているかもしれない」という不安感がうかがえます。

女子大学生への調査 自分に口臭があった場合指摘してもらいたい?

「高校生の頃から気になり始めた」が最多――意識の芽生えは思春期に集中

「いつから自分の口臭が気になり始めたか」という問いに対して、最も多かったのは「高校生の頃」(43.8%)、続いて「中学生の頃」(29.8%)でした。

一方で「小学生の頃」(7.4%)や「大学に進学してから」(3.3%)は少数であり、思春期からの自己意識の高まりが、口臭への関心にもつながっていると考えられます。

女子大学生への調査 いつから口臭が気になり始めた?

「起床直後」や「会話中」に気になるという声多数

「口臭が気になる時間帯(複数回答可)」として最も多かったのは「起床直後」(50.4%)、次いで「人との会話時」(42.1%)でした。

他にも「夜中目が覚めたとき」(20.5%)や「勉強中」(20.5%)などが挙げられており、日常のさまざまなシーンで口臭への意識が芽生えていることがわかります。

女子大学生への調査 口臭が気になる時間帯

気になる相手は「友人」「他人」が中心、家族や恋人も対象に

「口臭が気になる相手(複数回答可)」として多かったのは、「友人」(34.7%)、「他人」(29.8%)でした。

続いて「父」(16.5%)、「母」(14.9%)、「先生」(12.4%)などが挙げられています。

「恋人」(2.5%)や「祖父母」(5.0%)を挙げた人は少数派であり、日常的に関わる身近な他者ほど、口臭への意識が強くなる傾向が見られました。

女子大学生への調査 口臭が気になる相手

7割以上が「食品での対処」――ガムや飴が主流、歯磨きは3割

「口臭が気になったときの対処法(複数回答可)」として最も多かったのは、「飴やガムなどの食品を食べる」(71.9%)でした。

次いで「お茶・水を飲む」(46.3%)、「歯を磨く」(28.1%)、「舌を磨く」(24.0%)と続いています。

「洗口剤を使う」(6.6%)や「マスクをかける」(1.7%)は少数にとどまり、簡便な食品によるセルフケアが主流であることがわかります。

女子大学生への調査 口臭が気になった時の対処法

まとめ:意識調査で見えた10代女性の“人との距離”に影響する繊細な悩み

2010年に実施された今回の調査では、10代後半の女子大学生たちが、口臭に対して高い関心を抱いている実態が明らかになりました。

特に高校生の頃から意識しはじめる人が多く、起床直後や人との会話中といった日常的な場面で不安を感じるケースが多く見られます。

また、自分の口臭を気にして他人と距離をとってしまう人が7割近くにのぼるなど、口臭に対する意識は対人関係にも影響を及ぼしていることが示されました。

対処法としては「ガムや飴などの食品」に頼る傾向が強く、歯磨きや舌磨きといったケアを行っている人は比較的少ないこともわかります。

この調査は十年以上前のものであるとはいえ、若年層にとって口臭が繊細な悩みであること、そしてその悩みが日常生活や人間関係にまで及んでいることを今なお示唆しています。

こうした実態を理解することは、これからの予防や啓発の取り組みにおいても重要な手がかりとなるでしょう。

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