食べ物によって体臭が変化する?嫌なニオイを抑える食べ物で体臭予防しよう!

体臭の原因のひとつに挙げられるのが、肉類や乳製品などの食べ物を摂ることが多くなった現代の食生活です。特に動物性の食べ物や油もの、お酒などの刺激物を好む人は、体臭を発生させやすいといわれています。体臭は自分では気付きにくく、相手に一度自分の臭いを不快と感じさせてしまうと、その印象はなかなか拭い去ることができません。したがって日頃からエチケットとして臭いを防ぐための対策を行っていきたいですね。そこで今回は食べ物と体臭の関係、体臭の予防に効果的な食品について詳しくご紹介していきます。食べ物で体の内側からニオイを防いでいきましょう。
-
●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩15年以上に亘り、医師や専門家の方々と意見を交わしながら「臭い」を研究し、数多くの臭い対策サプリをつくってきました。その経験の中で得た「体臭」や「加齢臭」に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
主な体臭の種類と発生する原因
汗臭
私たちの体には汗腺という汗を出す小さな器官がたくさん分布しています。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺はほぼ全身の表皮にあり99%が水で、塩分やタンパク質、乳酸が含まれていますが、いずれもごくわずかでサラサラとした液体です。アポクリン腺は脇の下や性器の近くにあり、脂肪やタンパク質を含んだ乳白色の少しねっとりとした液体です。
汗は分泌されたばかりの時はほぼ無臭です。時間が経って汗や皮脂に含まれる脂質やタンパク質、アミノ酸などが常在菌によって分解されたり空気に触れて酸化することによってニオイが発生します。
特にアポクリン腺から分泌される汗は独特の臭いの素になりやすい成分を含むので、汗に含まれるタンパク質や脂質を少なくするために、動物性タンパク質・脂質が多い食事を減らすことで予防が可能になります。
加齢臭・ミドル脂臭
加齢臭とは、中高年に特有の「脂臭くて、青臭いにおい」のことです。皮膚には、肌の潤いを保つために皮脂を分泌する皮脂腺という器官があり、皮脂腺の中にパルミトオレイン酸という脂肪酸や過酸化脂質が存在しています。このパルミトオレイン酸が、過酸化脂質や皮膚に存在する雑菌などによって分解・酸化されてできるのが『ノネナール』です。このノネナールが加齢臭の原因です。
男女問わず、40歳を過ぎた頃から増えてくるので、男性に比べ皮脂量の少ない女性でも安心はできません。特に皮脂量が増える暑い季節は要注意です。 加齢臭が多く発生する場所は、皮脂の分泌量が多い頭部、自分では気づきにくい首の後ろや耳のまわり、胸もと、脇の下、背中などです。
また、汗臭・加齢臭とは異なる30~40代の男性に特有のミドル脂臭は、脂っぽい汗のニオイが特徴です。常在菌の中の表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌が汗の中の乳酸を分解する過程で作り出される『ジアセチル』が原因です。
体内が酸性に傾くと体臭の原因物質がつくられやすくなるので、酸性を中和する“アルカリ性”の食品を摂ることで対策が可能です。
腸内細菌がつくる臭いガス
腸内にある窒素、二酸化炭素、水素、メタンはニオイがないガスですが、アンモニアや硫化水素のように臭うガスもあります。微量でもさらに臭いのがスカトールやインドールです。おならがにおうのは、大腸内のタンパク質分解菌や腐敗菌が生成するこれらが主な原因です。
悪玉菌が多い腸内環境では有害な臭い物質が生み出されやすくなり、それは便臭やおならのニオイをきつくするだけでなく、腸管から吸収されることで呼気や汗、皮膚ガスとしても発散してしまいます。つまり気付かぬうちに口や鼻からおならを出しているかもしれないということです。
この状態を防ぐには腸内環境を整える乳酸菌や発酵食品を摂ることで改善することができます。
体臭を引き起こす食べ物
動物性のタンパク質と脂質
ニオイ成分の原料となる食材には、動物性のタンパク質と脂質があります。前者は分解されるとアンモニア・インドール・硫化水素など「腸内体臭」の原料になり、後者は加齢臭や皮脂臭の原料となります。食べる量が多ければ多いほど、ニオイ物質は多くつくられます。
肉(牛・豚・鶏など)、肉の加工品(ハム、ベーコンなど)、乳製品(バター、マーガリン、ラード、チーズなど)
にんにく
ニンニクの主成分として有名なアリシンがありますが、これがニンニクの臭いのもとです。元々はアリインというアミノ酸の一種で、それが酵素の働きによって変化したのがアリシンです。ニンニクを刻んだりすり下ろしたりすることでニオイを放つようになるのは、アリシンが発生するためです。
口の中にニンニクの食べ残しがあったりアリシンが体の中に残っていると口からその臭いがでてきてしまいます。また、臭いのもとであるアリシンやその代謝産物が尿や汗として排出されることで体臭が発生します。
辛い食べ物
辛い食べ物を食べると多くの汗をかきます。このときの汗は「辛い」というストレスによってかく汗のため、アポクリン腺から出ている汗です。前述のとおり、アポクリン腺は脂肪やタンパク質を含んだ汗のため、常在菌によって分解されることでニオイが発生しやすくなります。
アルコール
お酒をたくさん飲んだ翌日に体からお酒の臭いがするのは、アルコールの分解によって発生するアセトアルデヒドという物質が原因です。アルコールが体内で処理しきれない場合、血液に含まれるアルコールやアセトアルデヒドは肺に届くため、口臭として臭うことがあります。また、血液中にアルコールやアセトアルデヒドが残っていると、全身から出る汗にも混じり、ニオイが発生してしまいます。
体臭を抑える食べ物
アルカリ性食品
体内が酸性に傾くと、『加齢臭』や『ミドル脂臭』のような体臭の原因物質が作られやすくなります。したがって、酸性を中和する“アルカリ性食品”を摂ることで予防が可能です。有効な食品の例としては、梅干し・ワカメなどの海藻類・ほうれん草などの緑色野菜・大豆製品・きのこなどが挙げられます。
抗酸化食品
皮脂が酸化して過酸化脂質になるのを防いでくれるのが抗酸化物質です。なかでもビタミンEは抗酸化力が高く、ビタミンCをあわせて摂ることで効果が持続します。他に緑黄色野菜のカロテノイドやブルーベリーなどに含まれるアントシアニン、ポリフェノールなどのファイトケミカルにも抗酸化作用があるといわれています。
ビタミンC:緑黄色野菜・果物など
ビタミンE:アーモンド・ナッツ類・アボカド・ゴマなど
腸内環境を整える食品
腸内で有害な臭いを発生させないためには善玉菌を増やす食事を取ることが大事です。善玉菌というのは、ビフィズス菌や乳酸菌など腸の働きをよくする有用菌のことです。一般的に良好な腸内というのは、こういった善玉菌が優位で悪玉菌が少ない状態のことを指します。食べ物で腸内環境を整える対策は今日からすぐに実践できます。
重要なことは、ビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌(善玉菌)によって構成される「プロバイオティクス」と有用菌を育てるオリゴ糖や食物繊維の「プレバイオティクス」を摂取することです。食事に積極的に取り入れて体臭発生を予防しましょう。
・プロバイオティクス
有用菌を腸に届ける
漬物、キムチ、乳酸菌飲料、ヨーグルトなどの乳製品、味噌、甘酒、納豆など
・プレバイオティクス
有用菌のエサとなる食材をとり、自分の有用菌を育てる
雑穀、大豆、アーモンド、ゴボウ、キャベツ、玉ねぎ、バナナ、はちみつなど
まとめ
食べ物での体臭予防の基本は、体臭を引き起こす食品の摂取量を少なくして、体臭を抑える食品を積極的に摂取することです。体臭を抑える食事法は健康を保つ食生活とほぼ同じであり、結果的には健康法にもなります。この機会に紹介した食べ物をうまく献立に取り入れて、食生活を見直してみて下さいね。