加齢臭がしない人のライフスタイルとは?臭いを予防するための食べ物や生活習慣をご紹介
中年男性の印象を大きく左右する、ニオイ問題。
近年では「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉を目や耳にすることも多くなり、体臭が社会的にも関心を集めていることが分かります。
30代の後半に差しかかるとだんだん気になり始める「加齢臭」は、いわゆる「おじさんのニオイ」「オヤジ臭」と表現されるニオイ。30代半ばから漂い始め、40代に入ると一気にニオイが悪化する人が少なくありません。
また、加齢臭は女性にも発生することが分かっています。
一方で、40歳を過ぎても加齢臭がしない人もいます。特に香水やコロンなどをつけているわけでもないのに、他の中高年の人に比べると体臭がなくて、しかも若々しい…。加齢臭がする人としない人の違いは一体どこにあるのでしょうか?
今回は、加齢臭がしない人の食生活や生活習慣に着目して、加齢臭をさせないコツをお届けします。
「最近、体臭が変わって来た」と加齢臭が気になりはじめた30代以上の男性はもちろん、夫やパートナーの加齢臭を何とかしたいと思っている皆さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
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●この記事を書いた人●
グリーンハウス株式会社
代表取締役 横尾一浩15年以上に亘り、医師や専門家の方々と意見を交わしながら「臭い」を研究し、数多くの臭い対策サプリをつくってきました。その経験の中で得た「体臭」や「加齢臭」に関する幅広い知識を、読者の皆さんのために余すことなくお伝えいたします。
加齢臭が発生する仕組み
3大体臭といわれる「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」の中でも、特に嫌われ度が高いのが「加齢臭」。
加齢臭が発見・発表されたのは1999年のことで、その原因が「2-ノネナール」(以下「ノネナール」)という物質であることが資生堂の研究員らによって明らかにされました。
そのニオイは「古い油」「古本」「枯草」「カメムシ」「古くなったロウソク」とも表現され、不快感を覚える人が多いようです。
加齢臭の元、ノネナールが発生するメカニズム
ノネナールは以下のようなメカニズムで発生します。
①皮脂に含まれる脂肪酸の「パルミトレイン酸」と、中性脂肪などが体内に発生した活性酸素によって酸化して生成される「過酸化脂質」が結合
②結合した物質が皮脂中の常在菌によって酸化・分解される
③ノネナールが生成される
ノネナールは30代の後半から40代以降にかけて、男性だけでなく女性にも増える傾向があります。
女性の加齢臭対策|原因は?どんな臭い?何歳から?更年期との関係についても分かりやすく解説 >>詳しく読む
加齢臭がしない人のライフスタイルとは?
30代からだんだん加齢臭が強くなる理由は、皮脂中のパルミトレイン酸と過酸化脂質が増えてノネナールが多く生成されるようになるからです。
したがって加齢臭がひどい人=ノネナールが多く生成されている人、と言えるでしょう。
ということは、加齢臭がしない人はノネナールが生成されにくいということ。では、なぜ同じ30代以上の人でもノネナールの生成量が違うのでしょうか?その理由は、加齢臭がしない人の食生活や生活習慣にありました。
加齢臭を防ぐ食生活
動物性脂肪(脂質)を摂りすぎない
動物性脂肪(脂質)は、体内の中性脂肪を増やします。
中性脂肪は「トリグリセリド」とも呼ばれ、皮脂の約40%を構成している物質。そのため、中性脂肪が増えると皮膚表面の皮脂量が増えて、過酸化脂質も増加します。
糖分が多い食べ物や飲み物をあまり摂らない
糖分が多い食べ物や飲み物を摂ると、血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌され、体内のブドウ糖が中性脂肪に変化します。
糖質の多い食べ物や飲み物を控えることで、中性脂肪が生成されるのを抑制できます。
アルコールの摂取量が少ない
肝臓でアルコールが分解される際に産生されるのが、過酸化脂質の生成を促す活性酸素。活性酸素は免疫機能を担っていますが、増えすぎるとがんや生活習慣病を発症させる可能性が高まります。
活性酸素は通常、体内の抗酸化防御機構で産生が抑制されていますが、アルコールによって活性酸素が増えると抗酸化防御機構の働きが間に合わなくなり、過剰に産生されます。
青魚を食べることが多い
サバやサンマなどの青魚に含まれるEPAやDHAには、中性脂肪を下げる作用があります。
ビタミンB2、B6が豊富な食べ物を摂ることが多い
ビタミンB2、ビタミンB6には、皮脂の分泌量を整える働きがあります。
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの含有量が多い食品を食べている
ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEには活性酸素の発生を抑制・除去する抗酸化作用があります。
ポリフェノールが含まれる食べ物を積極的に摂っている
ポリフェノールには、ノネナールへの高い消臭効果があることが分かっています。(※)
※1 ※「ポリフェノール配合石鹸による中高年男性の加齢臭低減効果」(におい・かおり環境学会誌43巻 5 号平成24年)
栄養素 | 豊富に含まれる食べ物 | |
---|---|---|
ビタミンB2 | 豚レバー、アーモンド、ブロッコリー | |
ビタミンB6 | マグロの赤身、牛レバー、カツオ、バナナ | |
ビタミンA(β-カロテン) | ニンジン、カボチャ、ホウレンソウ、ケール | |
ビタミンC | パプリカ、ケール、ブロッコリー、アセロラ、イチゴ、レモン | |
ビタミンE | アーモンド、ドライトマト、ヘーゼルナッツ、ホウレンソウ、豆乳 | |
ポリフェノール | アントシアニン | ブルーベリー |
イソフラボン | 大豆 | |
セサミノール | ゴマ | |
ルチン | そば | |
タンニン | 緑茶 |
加齢臭がしない人に共通する食生活は、栄養バランスがとれた健康的な内容です。
逆に、加齢臭がひどい人は、肉や脂っこいものが中心で野菜をあまり食べないなど食生活が偏っていたり、お菓子やジュースといった糖質が高い食品を好んだりする傾向があります。こういった食生活は生活習慣病を引き起こす原因にもなるため、加齢臭が強い人は生活習慣病にも注意が必要です。
気を付けたいのが、加齢臭を予防するために糖質や脂質をまったく摂らないような極端な食生活はしないということ。食事の三大栄養素は「炭水化物」「脂質」「タンパク質」です。炭水化物は糖質とカロリーの高さを気にして食べないという人もいますが、大切なエネルギー源ですので、適切な量を摂るようにしましょう。
それでは次に、加齢臭がしない人の生活習慣をご紹介します。
体内で生まれる臭いの原因にアプローチして、加齢臭を抑える方法とは? >>詳しく見る
生活習慣で加齢臭予防
適度な運動で「良い汗」をかいている
ノネナールの生成を防ぐのに効果的なのが、こまめに汗を拭きとること。
本来、汗はニオイがほとんどせずサラサラとしていますが、あまり汗をかかない人は汗腺が衰えてベタベタとしたニオイが強い汗をかきやすくなり、拭き取ってもニオイが残る場合も。
普段から適度な“良い汗”をかけば汗腺が鍛えられて、ニオイの少ないサラサラの汗をかけるようになります。ただし、激しい運動は体内の活性酸素を増やしてノネナールの発生を促進するため、ウオーキングや水中歩行などの軽めの運動がおすすめです。
ストレスをためないよう上手く発散している
ストレスを感じると、体内の活性酸素が増えて過酸化脂質が増加します。
また、ストレスは自律神経の乱れを招いて睡眠の質を低下させたり、体温調整がうまくいかずにニオイが強い汗が出やすくなったりします。
身体を洗う際に、加齢臭が発生しやすい部位を丁寧に洗っている
加齢臭が発生しやすいのは耳回りや首の周辺、胸、脇の下、背中です。
ニオイを取り除くために刺激が強い洗浄剤を使うと、必要な皮脂まで洗い落とされて余計に皮脂分泌が促進されます。そのため、低刺激性の洗浄剤をしっかり泡立てて丁寧に洗うことが大切です。
また、頭皮も加齢臭がしやすい部分。スカルプシャンプーなど毛穴の汚れまでしっかり落とせる洗浄剤で「頭皮を洗うこと」を意識して洗髪してください。
十分な睡眠時間、質が良い睡眠をとっている
睡眠時間は、体内の活性酸素が除去されたり、傷ついた細胞のダメージが修復されたりする大切な時間です。睡眠不足や睡眠の質が悪い日が続くと、体内の活性酸素が増殖します。
直射日光に当たらない
紫外線は体内の活性酸素を増やすため、UVケアをしっかり行うことで活性酸素の増殖を抑制できます。
タバコを吸わない
タバコを吸うと体内の抗酸化物質が大量に消費されて、活性酸素が増えます。
加齢臭がしない人の生活習慣は、食生活と同じく健康的なものです。
シンプルなものとはいえ、仕事や家庭の事情ですぐにとり入れられないかもしれません。また、一気にすべてを真似しようとすると長続きしない可能性もあります。まずは、簡単に実践できる身体や頭の洗い方から始めてみてはいかがでしょうか。
加齢臭予防は生活習慣病予防にも
加齢臭がしない人の食生活や生活習慣は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防とも深い関わりがあります。「最近、加齢臭がひどくなってきた」という人は、ニオイが生活習慣病のサインかもしれません。
普段よく摂っている食べ物を見直したり、軽い運動を始めてみたりすることで、加齢臭の抑制が期待できます。身体を動かすことはストレス解消になるだけでなく、朝日を浴びて運動をすれば睡眠ホルモン「メラトニン」の原料になる「セロトニン」が活発に産生されて睡眠の質が向上します。
加齢臭が悪化してきた男性本人だけでなく、夫やパートナーの加齢臭が気になっている人、また自身の加齢臭を感じ始めた女性の皆さんは、今回紹介した内容を参考に「加齢臭がしない人」を目指しませんか。
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