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口臭治療の流れと費用は?歯科医がわかりやすく解説

人と話しているとき、ふと「口臭が気になる」「自分の口は臭いのかも…」と思った経験はありませんか? 口臭対策として様々な商品が出ていますが、最近では口臭の悩みを気軽に相談できる「口臭外来」のある歯科医院も増えてきました。そこで本記事では、口臭の悩みを抱える方に、歯科医院で受けられる口臭治療の内容や費用などについてわかりやすくまとめてみました。

  1. 目次

    1. 口臭治療と口臭の種類
    2. 臭いが発生する原因は?
    3. 口臭の検査と診断
    4. 口臭の治療方法
    5. 歯科医院以外で治療が必要なケースも
    6. まとめ

口臭治療と口臭の種類

口臭には大きく2種類ある

口臭には大きく、「生理的口臭」と「病的口臭」の2種類があります。生理的口臭とは、人間であれば誰もが持っている口の中の臭いで、生活習慣などから発生します。一方、病的口臭とは、身体の病気などが原因で発生する口臭のことです。

生理的口臭は誰もが持っており、どんなにオーラルケアをしている人でも発生します。口臭がまったくない人はいません。また、人の口臭は、一日の生活の中で臭いの強さが変わったりもします。

朝起きたときや空腹時には口臭が強くなります。これは、唾液の分泌量と関係があります。そのほかにも、緊張したときやストレスを感じたときなど、心身のコンディションによっても、口臭が強くなったりします。

臭いが発生する原因は?

口臭の原因を探る

生理的口臭は、唾液の分泌量が減少することが主な原因です。唾液は口の中を洗浄する作用や臭いを引き起こす細菌の増殖を抑える作用、口内の粘膜を保護する作用などがあります。唾液の分泌量が減ると、口内が不潔になり、口臭が発生しやすくなります。特に、起床時や空腹時は、唾液の分泌量が減少しており、口臭が強くなりやすいのです。

一方、病的口臭は、鼻やのどの病気、呼吸器系・消化器系の病気をはじめ、身体の疾患から発生し、その90%は、口内の病気が原因だとされています。虫歯や歯周病、舌苔(ぜったい)などが主な原因です。

歯周病にかかると、歯周病菌が歯茎や歯を支える骨を攻撃して炎症を起こす際に、メチルメルカプタンやジメチルサルファイド 、硫化水素を発生させます。これらは「揮発性硫黄化合物」と呼ばれるもので、臭いを引き起こす原因物質(臭い物質)とされています。これらの臭い物質は通常、単体ではなく、複数が混ざり合うことで口臭を発生させています。

また、歯周病が進行すると、歯茎だけではなく、舌の上に舌苔(ぜったい)と呼ばれる細菌の固まりが多量に付着するようになります。このように口内の細菌が増殖することで、病的口臭はどんどん強くなっていくのです。

心理的な原因によって引き起こさる場合も

さらに、これらの口臭以外にも、「自臭症」と呼ばれるものがあります。自臭症とは、実際には口臭がそれほどないのに、「自分の口臭がひどい」と思い悩んでしまう症状のことです。「自己臭症」または「自己臭恐怖症」とも呼ばれ、何気ない他人の行動から、「自分は臭い」と思い込み、日常生活に支障をきたすこともあります。自臭症の場合は、精神科や心療内科での治療が必要とされます。


口臭の検査と診断

専門家による診断も可能

歯科医院では、口内の病気(虫歯・歯周病など )によって引き起こされる病的口臭の検査および診断を受けることができます。

検査および診断の流れ・内容は以下の通りです。


  • ①虫歯の検査(視診、エックス線写真撮影)…虫歯の有無や進行度合いをチェック
  • ②歯周病の検査(視診、エックス線写真撮影)…歯周ポケットの炎症度合いをチェック
  • ③舌苔の検査(視診)…舌の上の汚れ(舌苔)の量に異常がないかをチェック
  • ④官能試験  …呼気の臭いを嗅いで判定
  • ⑤機器(オーラルクロマなど)による測定…口の中の臭い物質の濃度を測定

4番目の口臭測定はすべての歯科医院にあるわけではありませんが、大学病院や口臭外来のある歯科医院では受けられます。代表的な口臭測定器として、「オーラルクロマ」と呼ばれる医療機器があります。オーラルクロマでは、口腔ガス中の臭い物質の濃度を測定することで、どのぐらい口臭があるかを知ることができます。

病的口臭の原因である虫歯や歯周病の治療を行った後、オーラルクロマを使って再び口臭測定を行うことで、口臭が改善したかどうかを診断できます。

口臭の治療方法

口臭の治療

病的口臭の治療方法は、口内の細菌が増殖したり臭い物質が発生したりする原因である虫歯や歯周病を治療して、臭いのもとを除去することです。それぞれの治療方法・治療期間・費用などは、以下の通りです。

◇虫歯の治療

虫歯がある場合は、優先して虫歯の治療から行います。歯の神経まで及んでいない虫歯であれば、プラスチックの詰め物や銀歯などの被せ物をすることで治療が終わります。歯の神経まで虫歯菌が感染している場合は、歯の根っこの治療が必要です。歯の根っこまで治療すると、完治するのに1か月以上かかることもあります。治療にかかる費用は、5,000円~2万円ぐらいになります。

◇歯周病の治療

歯周病の治療では、口臭を引き起こす歯垢や歯石の除去(スケーリング)を行います。歯周病が進行していると、歯茎の中にまで歯石が付着していることがあります。その場合は、まず歯茎の上の歯石を除去して歯茎の炎症を抑え、歯茎が引き締まった後で、スケーラーと呼ばれる器具を使って歯石を除去します。また、歯茎の炎症が著しく、歯茎から膿が出ているような重度の歯周病の場合は、腫れを抑えるために抗菌薬を処方することもあります。

歯周病の治療は、軽度だと約3か月間、重度だと半年間程度かかります。治療にかかる費用は、歯周病の程度によっても異なりますが、およそ1万円~数万円になります。

◇歯磨き(ブラッシング)が口臭治療に効果的

歯周病の治療では、歯の磨き方(ブラッシング方法)の指導も行います。患者さんの歯の磨き方を確認し、歯周病予防に効果的な磨き方を指導します。軽度であれば2か月から3か月ほどで口臭が改善してくるケースもあります。口臭治療では、患者さん本人の歯磨きの努力が欠かせません。歯磨きをおろそかにすれば、治療期間が長引くこともあります。適切な歯磨きが、口臭の早期改善につながります。

歯科医院以外で治療が必要なケースも

歯科医院以外に相談するケースも

口臭の約90%は口の中の病気(口腔内疾患)によるものですが、口腔外疾患による口臭もあります。その主な原因として、糖尿病や副鼻腔炎、胃がん、逆流性食道炎などが挙げられます。

◇原因1-糖尿病

糖尿病では、体の中で脂肪が変化してつくられる「ケトン体」と呼ばれる物質によって口臭が発生することがあります。ケトン体による口臭は、虫歯や歯周病による口臭とは異なり、独特の甘酸っぱい臭いがします。また、糖尿病があると、歯周病も完治しにくく、なかなか口臭が改善しないケースもあります。糖尿病の治療には、糖尿病内科の専門医に診てもらう必要があります。

◇原因2-副鼻腔炎

副鼻腔炎になると、鼻が詰まってしまうため、口呼吸になってしまい、口の中が乾燥しやすくなります。口の中が乾燥することを「ドライマウス」と呼び、口内の細菌が増殖して口臭が発生する原因にもなります。鼻が詰まったなどの症状がある場合は、副鼻腔炎の可能性があるため、耳鼻科で診てもらう必要があります。

◇原因3-胃がんや逆流性食道炎

胃がんがあると、胃から臭いが発生し、口臭として感じる場合があります。また、逆流性食道炎の場合も、食道の炎症によって臭いが発生します。胃がんや逆流性食道炎は、消化器内科で胃カメラなどの検査を受ける必要があり、それぞれの症状にあった適切な治療が必要です。各専門医に診てもらうようにしましょう。

まとめ

悩むなら適切な治療を

口臭検査を行い、適切な治療を受ければ、口臭は大きく改善されます。実際、私が担当した患者さんは、重度の歯周病による口臭で大変悩まれていましたが、きちんと治療を行ったところ、劇的に口臭が改善されました。口臭が改善されたことで、家族や友人との会話にも積極的になり、性格も明るくなっていきました。

患者さんの中には、口臭の悩みを家族にも相談できない方も多くいらっしゃいます。「口臭が気になるけど、どこに相談すればいいのかわからない…」そのようなときは、ぜひ一度、歯科医院の口臭外来にご相談されることをおすすめします。

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