女性の口臭はホルモンが原因?内科医おすすめの改善方法

対人関係にも深刻な支障を与える口臭はできれば避けたいものです。口の中の臭いは自分では気づきにくいものとは言え、一旦気になりだすと人前に出ることができなくなるという方も少なくありません。そんな口臭に悩まされるリスクは、男性よりも女性の方が高いとのデータもあります。そこで今回は、女性と気になる口臭の関係やおすすめケアなどについて詳しく解説します。

  1. 目次

    1. 女性の口臭リスクは男性よりも高い
    2. 女性ホルモンの変動が口臭の原因に
    3. 人生で3回高まる口臭リスク
      1. 思春期
      2. 妊娠・出産期
      3. 更年期
    4. おすすめの口臭ケア
      1. 正しいブラッシング
      2. こまめな水分補給
      3. 口腔体操
      4. 定期的な歯科受診
    5. 病気のサイン

女性の口臭リスクは男性よりも高い

口臭レベル測定結果の男女比

ブレス・ハザードプロジェクトが日本人の口臭問題の現状を調べるために行った「口臭白書2019」調査によれば、基準値以上の口臭がある男性は全体の8.3%だったのに対し、女性はなんと17.9%にも上ることが分かりました。つまり、女性の方が男性よりも口臭のある方が2倍以上ということです。一般的には喫煙者や愛飲家などが多い中高年男性の方が女性よりも口臭が強いと思われがちですが、実際には若い女性の方に口臭があることが分かったのです。

一方で、「口の中の悩み」として男性は口臭を挙げた方の割合が最も高かった(27.9%)ことに対して、女性は第一に歯の黄ばみを挙げ(44.9%)、口臭は5番目の悩みとなっています。口臭がある女性の中には、自身の症状に気付いていないケースも多いと考えてよいでしょう。

女性ホルモンの変動が口臭の原因に

エストロゲンの分泌量が口臭に影響する

では、女性はなぜ男性よりも口臭のある方が多い傾向にあるのでしょうか?それには、女性特有のホルモン変動が関係しています。口の中を清潔に保って口臭を予防する唾液の分泌は女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の影響を受けやすいとされています。エストロゲンは自律神経のバランスを整える作用もあるため、エストロゲンの分泌量に変動が生じると、自律神経バランスは乱れることに繋がります。その結果、心身ともに様々な不調を引き起こします。唾液分泌量の低下もその一つです。唾液分泌量が低下すると口の中に食べかすなどが残りやすく、さらに歯垢が付きやすくなることで口臭が発生する原因となります。特に若い女性は性周期によってエストロゲン分泌量の変動が激しくなります。定期的に口臭に悩まされる方は女性ホルモンの影響による生理的な口臭の可能性もありますので注意が必要です。

人生で3回高まる口臭リスク

口臭リスクが高まる時期は人生で3回ある

女性の口臭の多くは上述した通り、女性ホルモンバランスの変動によるものです。特に、以下の3つの時期は女性ホルモンの変動の他、様々な要因で口臭が発生しやすくなります。

思春期

初潮を迎え、思春期に突入すると女性の身体は将来的な妊娠に向けた性機能が成熟していきます。毎月排卵が生じ、生理がやって来るのは性機能が成熟した証拠です。この周期を司るのは女性ホルモンバランスの変化です。そのため、性機能が発展段階にある思春期は女性ホルモンバランスが非常に乱れやすく、口臭も起こりやすくなるのです。

妊娠・出産期

妊娠・出産期も女性ホルモンバランスの変動が非常に著しい時期です。知らず知らずのうちに唾液の分泌量が低下し、口臭がひどくなっているというケースも少なくありません。また、妊娠・出産期は免疫力が低下しがちになるため歯周病や歯肉炎などを発症しやすくなります。これらの口の中の炎症は強い口臭の原因になりえます。また、つわりに悩まされている最中や産後の育児に追われている時期は十分なブラッシングもままならなくなることも多いため、口腔ケア不足による口臭も発生しやすい状態となります。

更年期

閉経へ向けて、女性ホルモンバランスが崩れやすい更年期には全身に様々な症状が現れますが、自律神経バランスが大きく乱れることで唾液分泌量は低下しやすくなります。また、加齢による唾液分泌機能の低下も相まって口臭が起こりやすくなる時期と言えます。

おすすめの口臭ケア

おすすめの口臭ケアは正しいブラッシング

女性は、様々なライフイベントにおいて口臭が発生しやすい状態になることが分かりました。女性ホルモンの変動は女性であれば誰にでも起こる現象であるため、適切なケアをしながら、できるだけ口臭が起こりにくい口腔環境を整えることが大切です。では、女性の口臭にはどのようなケアをしていけばよいのでしょうか?

正しいブラッシング

口臭は口の中に雑菌が増えることによって引き起こされるものです。口の中は飲食物のカスが溜まりやすいため、不衛生になりやすい場所でもあります。そんな口の中をできるだけキレイな状態に保つには、食後などに正しいブラッシングを行うことが必須です。丁寧で確実に汚れを取り除けるブラッシングを心がけましょう。歯と歯の隙間の汚れは歯ブラシだけでは取り切れないことも多いため、歯間ブラシやデンタルフロスなどを用いてケアするのもポイントです。

こまめな水分補給

口の中は乾燥すると雑菌が増殖しやすくなり、口臭が強くなる原因となります。口の中の渇きが気になるときはこまめな水分の補給を行うのがよいでしょう。また、外出先や仕事中など頻繁に水分が摂れない状況の際には、ガムや飴などを口にして唾液の分泌を促すのもおすすめです。

口腔体操

唾液は口臭を抑える働きがありますので、口臭が気になるときは唾液分泌を促す働きのある「口腔体操」が有用です。口腔体操には様々なやり方がありますが、舌で大きく丸を描くなど舌を中心として運動を繰り返すことで唾液腺が刺激され、唾液分泌量がアップします。特に生理前の方、更年期に差し掛かった方にはこのケアがおすすめです。

定期的な歯科受診

口の中はどんなにケアをしていても、気付けば歯垢や歯石が溜まってしまうものです。歯垢や歯石は口臭の原因となりますが、ブラッシングなどのセルフケアのみで除去するのは困難です。半年~1年に一度は歯科医院で定期的なクリーニングを受けると口臭が発生しにくい口腔環境を維持しやすくなります。

病気のサイン

口臭が病気のサインである可能性も

口臭は口の中だけのトラブルと思われがちですが、実は内臓など口の中とは直接的に関係しない病気が潜んでいることも少なくありません。例えば、胃がんや胃潰瘍などでは、胃の内部で発生した出血の臭いなどが口の中まで上がってくることで生臭い口臭が生じやすくなります。また、体内の老廃物を排出する働きのある腎臓の病気では、体内にアンモニアが溜まってしまうことでアンモニアの臭いがする口臭が起こりやすくなるとされています。その他、糖尿病は免疫力を低下させることで歯周病などにかかりやすくなり、強い口臭が引き起こされることもあります。

このように、口腔ケアを徹底しても口臭が改善しない場合は何らかの病気が原因の可能性もあるため、医師に相談するようにしましょう。

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まとめ

育児や家事のストレスも口臭に影響

女性は思いのほか口臭のリスクが高いものです。特に育児や家事、仕事に追われる若い世代の女性は自身のことが後回しになり、気付けば口腔ケア不足から深刻な口臭を放っていることもあります。私たちの鼻は同じニオイに順応する仕組みであるため、自分自身の口臭に気付かないケースも少なくありません。

口臭は対人関係に支障を来すだけでなく、何らかの病気によって引き起こされるケースもあります。口臭が起こりやすい世代の女性は、自分自身のケアも大切にし、気になる症状があるときは早めに病院を受診するなどの対処をしましょう。

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