グリーンハウス 新いいものみっけ10・11月号 │ 極上の一服を。嬉野ティーツーリズム

▲ 大村湾を望む、壮大なスケールの茶畑に浮かび上がった「茶塔」にて。

極上の一服を。
嬉野ティーツーリズム

2022年秋に開業予定の「西九州新幹線」。
鉄道路線がなかった佐賀県嬉野市に
「嬉野温泉駅」が誕生します。
開業を前に注目が高まっている現地を訪ね、
美肌の湯で知られる「嬉野温泉」とともに
歴史的な伝統文化である「嬉野茶」と「肥前吉田焼」を
組み合わせた旅のプログラム「嬉野ティーツーリズム」を
体験してきました。
さあ、極上の一服を楽しむ旅へ。

日本一の嬉野茶

嬉野茶は15世紀に明から移住した陶工(陶芸家)が自家用茶を栽培したのが始まりです。
霧深い嬉野の盆地はお茶栽培に適しており、
やがて南蛮釜を持ち込んだ明の紅令民によって釜炒り茶の製法が伝えられました。
嬉野では現在も、この釜炒り茶が生産されています。
令和2年の全国茶品評会で、釜炒り茶と蒸し製玉緑茶の2部門において、
優れた成績を収めた産地に贈られる「産地賞1位」を受賞。
釜炒り茶は2年連続、蒸し製玉緑茶は4年ぶりの日本一となりました。

釜炒り茶

茶葉を約400度に熱した釜で直接炒って仕上げる製法で、生産量は国内の緑茶生産量の1%以下しかない希少なお茶。

蒸し製玉緑茶

茶葉を高温で蒸し、揉んで乾燥させる主流の製法で仕上げた玉緑茶(茶葉が匂玉状の形状をしているお茶)。

ティーツーリズムとは

お茶どころ嬉野で生まれた、“一杯のお茶を求めて旅する”というコンセプトの新しい旅のスタイル。茶師(茶農家)と対面し、栽培へのこだわりや品種の特長などを聞きながら、お茶をいただく体験プログラムなどが用意されていて、お茶を通して嬉野の魅力を存分に楽しむことができます。

多彩なプログラム

茶空間体験
茶畑に点在する特別な茶室でティーセレモニーが体験できる。
茶話〈さわ〉
旅館に設けられた専用の空間で行うティーサロン。茶師(茶農家)との会話を楽しみながらお茶をいただく。
茶泊〈ちゃはく〉
ゲスト1組に1名のティーバトラーが付き、滞在中にお茶でもてなしてくれる宿泊プラン。
歩茶〈ほちゃ〉
テイクアウトできる嬉野茶。
茶輪〈ちゃりん〉
お茶とともにレンタサイクルで観光地をツーリング。

予約・お問い合わせ

https://tea-tourism.com/

嬉野茶時永尾さんとツーショット

▲ ティーツーリズムを案内していただいた(左)〔嬉野茶時〕永尾 裕也さん

〈永尾豊裕園〉
120年以上続く茶園の5代目。標高250~350mと嬉野でもやや高地でお茶を栽培。さまざまな品種を育てるが、中でも晩生品種「おくゆたか」は、ダシのような旨味が感じられる個性的な味わい。

美しい茶畑でお茶をいただく「幸せ」
何ものにも代えられない
上質な時間です。

嬉野茶時永尾さんとツーショット

ティーツーリズムの「茶空間体験」を事前に予約サイトから申し込み、福岡から車で約1時間半、佐賀県嬉野市へ。

茶空間は3ヵ所から選ぶことができます。今回体験したのは「茶塔」。
大村湾を望む標高390mの茶畑に備えられた、絶景の茶空間です。

青々と波のように連なる茶畑に囲まれた茶塔に座り、心地よい風に吹かれながら、
茶師(茶農家)の永尾さんによる案内で、ひときわ贅沢なティーセレモニーを体験しました。

「お茶は淹れるお湯の温度で味が変わります。熱いと渋みが出てしまうので、低めの温度で、家庭用のお茶も水出しでゆっくり時間をかけると、茶葉の旨みが引き出されます。」

丁寧な美しい所作が淹れられたお茶とお菓子をいただきつつ、
お茶の淹れ方や品種の特長などのお話を伺う、ゆったりとした1時間。

壮大なロケーションの中で味わう、まさに極上の一服です。

お茶を淹れる

お茶を淹れる

茶釜で沸かしたお湯を白い器に1つずつ移し替え、適温まで冷ましてお茶を淹れます

スパークリング和紅茶

スパークリング和紅茶

一茶目は「スパークリング和紅茶」。炭酸で割った紅茶は、残暑の日差しの中で驚きの爽快さ。

釜炒り茶

釜炒り茶

二茶目にいただいたのは、雑味がなく香ばしい釜炒り茶。お茶の甘みが口の中に広がります。

れもんほうじ茶

れもんほうじ茶

ほうじ茶とハーブのレモングラスをブレンドした「れもんほうじ茶」も新鮮な美味しさ。抹茶の上品のお菓子「茶畑」とよく合います。

今回のティーセレモニーのメニュー

一茶目
スパークリング和紅茶

スパークリング和紅茶

二茶目
緑茶

緑茶
・釜炒り茶(やぶきた)
・蒸し製玉緑茶
  (おくゆたか)

三茶目
れもんほうじ茶

れもんほうじ茶

嬉野
ティーツーリズム

茶空間体験
Tea Experience

下記3ヵ所から希望の茶空間を選び、特別なティーセレモニーを体験。
1人11,000円(要予約/2名より)

茶塔

茶塔

見渡す限りの茶畑の中に建ち、遠くには大村湾が望める絶景茶空間。

杜の茶室

杜の茶室

360度、檜や杉に包まれ聖域のように閉ざされた茶空間。

天茶台

天茶台

嬉野市街と美しい山並みを望める茶空間。

吉田茶室[要相談]

吉田茶室

製陶所のギャラリーを兼ねた唯一の屋内茶空間。

茶話
Tea Salon

茶話

▲ 1日8名限定のプレミアムなティーサロン。1人5,500円(要予約/11時・14時 各4名迄)

日本三大美肌の湯「嬉野温泉」
出湯に癒されてほっこり。

嬉野温泉

ティーツーリズムの「茶空間体験」で奥深いお茶の世界を楽しんだあとは、嬉野温泉街をぶらりと歩いてみました。趣き漂う温泉旅館や、公衆浴場「シーボルトの湯」はレトロ感たっぷりです。

嬉野温泉は、『肥前国風土記』(713年)にも記されている歴史のある温泉地で、江戸時代には長崎街道の宿場町として栄えました。

栃木県の喜連川温泉、島根県の斐乃上温泉と並んで『日本三大美肌の湯』と言われています。
主な泉質はナトリウムを多く含む重曹泉。無色透明のぬめりのあるお湯で、角質化した皮膚をなめらかにしてくれます。

立ち寄り場で湯めぐりを楽しむも良し、足湯でひと息入れるも良し。
多忙な日常を忘れらせてくれるティーツーリズムの旅でした。

シーボルトの湯

シーボルトの湯

嬉野川と江戸時代に藩営の浴場だった「シーボルトの湯」。

うれしの茶交流館チャオシル

うれしの茶交流館チャオシル

550年以上の歴史がある嬉野茶のことを学べる「うれしの茶交流館チャオシル」へ。

交流館のカフェ

交流館のカフェ

交流館のカフェでほっとひと息。湯冷ましを使った美味しいお茶の淹れ方をセルフ体験しました。

癒やしの足湯スポット

足湯スポット

嬉野温泉街には癒やしの足湯スポットがあちこちに。

温泉とお茶と焼き物のまち
嬉野GUIDE MAP

足湯スポット

【1】湯宿広場

湯宿広場

嬉野温泉の源泉をミスト化した上記で足を温める、全国でも珍しい足蒸し湯があります。

【2】公衆浴場 シーボルトの湯

シーボルトの湯

大正ロマンを感じさせるレトロな公衆浴場。ドイツ人の医師シーボルトが江戸参府の途中に、温泉地嬉野に立ち寄ったことに由来。

【3】湯遊広場 シーボルトのあし湯

シーボルトのあし湯

「シーボルトの湯」のすぐ近くにある足湯施設。

【4】豊玉姫神社

豊玉姫神社

美肌の女神様、豊玉姫をお祀りする神社。おつかいの「なまず様」にお参りすると、美肌のご利益があるとか。

【5】うれしの茶交流館「チャオシル」

うれしの茶交流館「チャオシル」

嬉野茶の歴史や製法などを学べる貴重な資料を展示。カフェスペースもあり、茶摘みや茶染めなどのアクティビティも充実しています。

【6】肥前吉田焼窯元会館

肥前吉田焼窯元会館

個性豊かな窯元の作品の展示販売、絵付け体験などを実施。

【7】湯っつら広場

湯っつら広場

今年オープンした足湯施設。入浴時間がない方は足湯だけでも温泉気分を味わえます。

観光のお問い合わせ

嬉野温泉観光案内所
TEL:0954-42-0336

(一社)嬉野温泉観光協会
https://spa-u.net/

お茶と焼き物の里らしい嬉野のユニークな休憩所♪

器楽里(きらり)

器楽里

茶楽里(さらり)

茶楽里

佐賀県
嬉野グルメ

温泉湯豆腐

嬉野名物といえば「温泉湯豆腐」。
地元産大豆で作った豆腐を嬉野温泉水で湯豆腐に!

すいしゃ御膳 1,850円

一粒茶屋 すいしゃ
TEL:0954-42-0001

ロールケーキとパフェ

お茶どころなのでお茶スイーツも見逃せません!
カフェと雑貨のお店は女子旅にオススメ(^^)

嬉野抹茶のロールケーキ 660円
嬉野茶パフェ 1,100円

Restaurant Café& Shop KiHaKo
TEL:0954-42-0178

編集後記

編集後記

今回の「いいものみっけ」はいかがでしたか?茶空間体験では、絶好のロケーションで茶師さんに淹れていただいた嬉野茶の味わいに感激!なかでも「釜炒り茶」は奥深い甘みと香りがあり、スッキリとした喉越しで、“私の知っている緑茶じゃない!”と衝撃を受けました。希少なお茶なので、気になる方はプレゼントにご応募を(^^)皆様もぜひ、嬉野で美肌の湯に浸かり、新しいお茶の魅力に出会う旅を楽しんでください。
スタッフ横尾